日本の切り絵はもともと染色の型染めという技法の型紙をつくる技術から発展してきました。
染色型紙がバラバラになっては使い物になりません。複雑な模様を切り抜く際にも型紙がバラバラにならないように工夫されています。
切り絵は染色に使うわけでもないのでバラバラに切り抜かれた紙を貼り合わせてもいっこうにかまわないわけですが、でもなぜか枠をつけたり線でつなげたり、染色型紙の伝統が残っている作品が多いです。
もっともバラバラになると、切り離された「部品」を探し出して貼り合わせる作業が大変ですし、切りあがったときの紙の存在感を味わう楽しみが減りますし。というわけで私も、できるだけつながった構図を採用しています。
いかに不自然に見えないようにつなぐかという頭の体操と、せっかく微妙につないでいた接点を失敗無く切り抜くことができるかというスリルと、切り上がった一枚を「どうだ!」とヒラヒラとさせる気持ちよさと、切り絵はつながっているからおもしろいのです。
おまえの切り絵は、文字や目玉や鳥やら、あとでやたら糊づけしてるだろうって?
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