私の本棚の片隅に古い一冊の本があります。
それは中国の切り絵「剪紙(せんし)」を紹介したイギリスの本です。
私が学生のとき、もう40年も前の話になりますが、研修先の京都の古本屋で見つけて買ったものです。(そのときは、まさか自分で切り絵を始めようとは夢にも考えませんでしたが)
切り絵の始まりは、やはり紙を発明した国・中国のようです。
赤い紙を細い様々なナイフでカットし、天女や鳳凰、日常の一こまなどを表現し、魔除け災難除けの意味が込められているようです。
今でも中国では魔除け・工芸品・お土産として広く民間で親しまれています。
そしてわが日本でも、古くから祭祀に切り絵の技法が用いられていました。日本の場合は白い紙を使っています。
白い和紙にめでたい図柄や祭祀のデザインを刻んで神楽の祭殿に飾ったり、注連縄に吊したり。その風習は現在でも生き続けています。
現在の切り絵のスタイルは染色の型染め技術とともに発展しました。
型染めという染色の技法では、渋紙という和紙を切って着物の絵柄の型紙をつくります。その型紙が独立して鑑賞されるようになり切り絵として定着しました。すごい技術をもった作家の方がたくさんいらっしゃいます。
切り絵と同じ原理を利用したものには、前述の染色の型紙のほかにも透かし彫り彫刻や影絵などたくさんあります。
切り絵は強いインパクトを持っているので印刷にも適しています。絵手紙・年賀状・紙芝居・絵本などにも大いに利用されています。
で、人類が切り絵を始めたわけは?
というわけで、あとは自分で調べてみてください。
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